打ち合わせのあとChatGPTやClaude Codeに議事録を貼り付けて「要約して」と頼んだのに、あとで読み返すと肝心の決定事項が抜けていた、という経験はないでしょうか。議事録要約プロンプトは書き方ひとつで精度が大きく変わります。この記事では「決定事項・保留事項・次回までの担当者別タスク」を毎回同じフォーマットで出させるプロンプトと、打ち合わせのたびにそれをどう使い続けるかを具体的に紹介します。

「要約して」だけでは決定事項が消える理由

ChatGPTやClaude Codeに議事録を渡して「要約して」とだけ指示すると、AIは文章として自然にまとまった要約を作ろうとします。この時、AIは「重要そうな話の流れ」を優先して圧縮するため、会話の中でさらっと決まった一言(「じゃあA案で進めましょう」「来週までに見積もりお願いします」など)が、盛り上がった議論の陰に埋もれて省略されがちです。

抜け落ちが起きる2つのパターン

  • 決定事項の埋没:議論の過程が長いほど、最後の一言で決まった結論が要約に反映されにくい
  • 担当者の紐付け漏れ:「誰が」「いつまでに」やるかは会話の中で曖昧に言われることが多く、AIが本文に無い前提(「たぶんこの人だろう」)を補って書いてしまうか、逆に丸ごと省略する

フォーマットを指定せずに丸投げすると、この2つの抜け落ちがそのまま議事録として残り、後から「言った言わない」のトラブルにつながります。

貼り付ける内容そのものにも注意が必要

2026年9月上旬には、生成AIに726人分の健康情報が誤って入力されてしまう事故が国内で報じられました。議事録には顧客名・金額・個人の体調や家庭事情など、社外に出せない情報が混ざっていることが珍しくありません。ChatGPTやClaude Codeに貼り付ける前に、個人情報や機密情報が入っていないか一度目を通す習慣をセットにしておくことをおすすめします。

「決定事項・保留事項・タスク」を固定フォーマットで出させるプロンプト

抜け落ちを防ぐには、AIに自由な要約をさせるのではなく、出力する項目をこちらで固定してしまうのが確実です。以下がそのまま使えるプロンプトです。

以下は打ち合わせの議事録(文字起こし・メモ)です。
内容を要約せず、次の3項目に分類して漏れなく抽出してください。

1. 決定事項(誰が見ても結論が分かるように、1件1行で)
2. 保留事項(結論が出ず持ち越しになった論点。理由も添える)
3. 次回までのタスク(担当者名・タスク内容・期限をセットで。
   担当者や期限が本文に明記されていない場合は「未確定」と書き、
   勝手に推測して補わないこと)

該当する情報が本文に無い項目は「該当なし」と明記してください。
出力は見出し付きの箇条書きで。

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(ここに議事録・文字起こしを貼り付け)

ポイントは「担当者や期限が無い場合は推測せず未確定と書かせる」という一文です。これが無いと、AIは会話の文脈から「たぶんこの人がやるだろう」と補完してしまい、実際には誰も担当していないタスクが議事録上だけ存在する、という事故が起きます。

毎回の打ち合わせ後にこのプロンプトを使い続ける手順

1回きれいな要約が取れても、次の打ち合わせで同じ質を再現できなければ意味がありません。運用を続けるための手順は次の3ステップです。

  1. 上記プロンプトをメモアプリやChatGPTの「カスタム指示」、Claude CodeならCLAUDE.mdやプロジェクトのテンプレートファイルに保存しておく
  2. 打ち合わせが終わったら、文字起こしやメモを整形せずそのまま貼り付ける(整形しようとすると発言の順序や主語が変わり、かえって抽出精度が落ちる)
  3. 出力された「未確定」の担当者・期限を、その日のうちに本人に確認して埋める。ここを翌日以降に持ち越すと結局忘れる

ChatGPTとClaude Codeどちらを使うか

単発の議事録要約であればChatGPTで十分ですが、議事録ファイルが複数たまっていて「先月決まったことをまとめて洗い出したい」といった横断的な処理をするなら、ファイル操作ができるClaude Codeが向いています。2026年9月22日にはClaude Opus 5.5が発表され、従来のOpus 5より実行コストが40%削減・出力速度が30%以上高速化されており、複数ファイルをまたぐ処理でも以前より待ち時間が短くなっています。

ツール

向いている場面

2026年9月時点の料金目安

ChatGPT Plus

その場で1件の議事録を要約したい

月額$20

Claude Code(Opus 5.5)

複数の議事録ファイルを横断して集計・整理したい

入力100万トークンあたり$4/出力$20

プロンプトの型を作る段階では、AIにいきなり結論を書かせるのではなく、不明点を先に確認させる書き方も有効です。この考え方はChatGPTに先に質問させるプロンプト2026年9月版で詳しく紹介しています。議事録要約でも「本文だけでは担当者が判断できない場合は先に聞き返して」と一文加えると、誤った推測での埋め合わせをさらに減らせます。

任せてよい作業・任せてはいけない作業の線引き

議事録要約は「決まったことを整理する」という定型作業なのでAIに任せやすい一方、次のような判断は人が行うべきです。

作業

AIに任せてよいか

理由

発言内容を3項目に分類・整形する

◯ 任せてよい

フォーマットが固定されていれば機械的な作業として安定する

「未確定」の担当者を推測で埋める

× 任せない

誤った担当者名が独り歩きし、タスク漏れの原因になる

個人情報・金額を含む議事録をそのまま貼り付ける

× 任せない

2026年9月に国内で726人分の健康情報の誤入力事故が報告されている

決定事項を関係者に展開する文面の下書き

◯ 任せてよい

フォーマットが決まった連絡文はAIの得意分野

帝国データバンクの2026年3月調査では、生成AIを活用する国内企業のうち86.7%が「効果が出ている」と回答し、活用用途の1位は「文章の作成・要約・校正」(45.1%)でした。議事録要約はまさにこの領域にあたり、非エンジニアでも成果を実感しやすい使い方です。一方で同調査では「情報の正確性」への懸念が50.4%と最も高く、出力をそのまま鵜呑みにせず、決定事項と担当者だけは必ず人が最終確認する運用にしておくことが重要です。

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まとめ

議事録要約プロンプトは「決定事項・保留事項・次回までの担当者別タスク」の3項目を固定フォーマットで出させ、担当者や期限が不明な場合は推測させず「未確定」と明記させるのがコツです。このプロンプトをカスタム指示やテンプレートファイルに保存しておけば、打ち合わせのたびに同じ質の議事録を安定して作れます。個人情報や金額が含まれる議事録はそのまま貼り付けず、AIが出した「未確定」項目はその日のうちに本人へ確認して埋める運用までセットで回すことが、抜け落ちを防ぐ最後の鍵になります。