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2026年10月は、セキュリティ更新と情報漏えいのニュースが一度に重なった月でした。外務省や大手通販支援サービスからの漏えいの発表があり、Windows・iPhone・Mac・Chromeでは悪用が確認された脆弱性の修正も出ています。「結局、自分は何をすればいいのか」と迷っている方に向けて、この記事では2026年10月のセキュリティ更新が自分の端末に入っているかを確かめる手順と、情報漏えいに便乗した詐欺への備えを、OSごとにまとめました。作業時間は端末1台あたり10〜20分ほどです。

2026年10月に起きたこと:外務省約3600件・ヤマト運輸約531万件の漏えいと緊急更新

まずは事実を整理します。日付と件数は、発表・報道で確認できたものだけを載せています。

情報漏えい・不正アクセス(日本国内)

発表・報道日

対象

内容

2026年10月17日(報道)

ヤマト運輸「クロネコ代金後払いサービス」

不正アクセスにより約531万件の顧客情報(届け先情報5万件を含む)が流出したと報じられている

2026年10月17日(報道)

通販サイト支援「ショップサーブ」

約2335万人分の個人情報が流出したと報じられている

2026年10月17日(報道)

ソースネクスト

2251万件の個人情報が流出し、暗号化されていないパスワードが含まれる可能性も指摘されていると報じられている

2026年10月28日(発表)

経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会のWebサイト

不正アクセスを受けWebサイトを停止。情報漏えいの有無は確認中

2026年10月30日(発表)

外務省

外部とやり取りできるネットワークが不正アクセスを受け、氏名・メールアドレスなど約3600件の個人情報が漏えいした可能性

2026年4月1日から10月16日までの半年余りで、のべ約2億6000万人分の個人情報が漏えい、またはその恐れがあると報告されています。日本の総人口の2倍以上にあたる数です。同じ人が複数のサービスで重複して数えられているにしても、「自分の情報はどこかで漏れている前提で備える」のが現実的だと私は考えています。

OS・ブラウザの緊急セキュリティ更新

公開日

製品

修正件数・ポイント

2026年10月13日

Windows(月例更新)

過去最多の1,411件を修正。うち1件(CVE-2026-96951)は悪用を確認済み。ネットから入手したファイルの安全確認(Mark of the Web)を回避されるおそれがある

2026年10月26日

iOS / iPadOS 27.2

163件を修正

2026年10月26日

iOS / iPadOS 26.7.2

134件を修正

2026年10月26日

iOS / iPadOS 18.7.11

iPhone XS・XS Max・XRなど古い機種向け。CoreGraphicsの脆弱性(CVE-2026-86950)など3件を修正。特定の個人を狙った攻撃で悪用された可能性がある

2026年10月26日

macOS Golden Gate 27.2 / Tahoe 26.7.2 / Sequoia 15.8.2

それぞれ263件・213件・197件を修正(3系統で重複を除き合計299件)

2026年10月26日

Safari 27.2

33件を修正

2026年10月29日

Google Chrome

21件を修正。「Critical(緊急)」評価のものを含む

Mac・iPhoneのSafariが使う表示エンジン「WebKit」の脆弱性(CVE-2026-112697など)は、細工されたWebページを開くだけでプログラムを実行される可能性があるものです。特別な操作をしない人も、Webを見るだけで対象になります。

Androidについては、直近2週間に緊急の更新が出たという具体的な情報は、今回の調査では確認できませんでした。Androidは毎月セキュリティパッチが配られる仕組みなので、後述の手順で端末の更新状況だけは確認しておくと安心です。

自分は関係ある?Windows・Mac・iPhone・Android・Chromeのバージョン確認手順

「CVE」は脆弱性(ソフトの欠陥)に付けられる通し番号のことで、覚える必要はありません。確かめるのは「自分の端末に10月の更新が入っているか」の1点だけです。

Windows 11 / Windows 10

  1. 「スタート」→「設定」→「Windows Update」を開く
  2. 「更新プログラムのチェック」を押す
  3. 「再起動が必要です」と出ていれば、作業中のファイルを保存してから「今すぐ再起動」
  4. 「更新の履歴」を開き、2026年10月にインストールされた更新があるかを見る

自動更新にしていても「ダウンロード済み・再起動待ち」のまま止まっているパソコンが少なくないと指摘されています。再起動するまで修正は効かないので、ここが一番の見落としどころです。10月の更新番号での確かめ方はWindows11 10月更新KB5127648確認|26年10月で詳しく書いています。

Mac

  1. 画面左上のAppleメニュー →「このMacについて」でmacOSの名前とバージョンを確認
  2. Appleメニュー →「システム設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く
  3. 次のいずれかになっていれば10月の修正は適用済み:Golden Gate 27.2 / Tahoe 26.7.2 / Sequoia 15.8.2

Safariは「Safari」メニュー →「Safariについて」で確認できます。27.2になっていれば最新です。

iPhone / iPad

  1. 「設定」→「一般」→「情報」で「iOSバージョン」を確認
  2. 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開き、表示された更新をインストール

今のバージョン

目指すバージョン

iOS 27.x

iOS 27.2

iOS 26.x のまま使っている

iOS 26.7.2

iPhone XS・XS Max・XRなど古い機種

iOS 18.7.11

Android

  1. 「設定」→「デバイス情報」(機種により「端末情報」「デバイスについて」)で「Androidのセキュリティアップデート」の日付を確認
  2. 「設定」→「システム」→「システムアップデート」(機種により名称が異なる)から更新を確認

メニューの名前はメーカーによって違います。見つからない場合は設定画面上部の検索欄に「アップデート」と入れると早いです。

Google Chrome

  • パソコン:右上の「︙」→「ヘルプ」→「Google Chrome について」を開くと自動で更新が始まる。終わったら「再起動」を押す
  • iPhone:App Storeでアカウントのアイコン →「アップデート」一覧にChromeがあれば更新
  • Android:Google Playでアカウントのアイコン →「アプリとデバイスの管理」→「アップデート利用可能」から更新

漏えいしたサービスの利用者か

上の表のサービスを使ったことがあるかは、メールの受信箱をサービス名で検索すると思い出しやすいです。通販サイトで「後払い」を選んだ、ネット通販でショップサーブを使った店舗から買った、ソースネクストのソフトを買って会員登録した、といった経験があれば該当する可能性があります。ただし確認は必ず公式サイトを自分で開いて行ってください。届いたメールのリンクから確認するのは、後述する便乗詐欺の入口になります。

今日やる対策:再起動・パスワード変更・「常に安全な接続」の確認

優先度の高い順に5つ

  1. すべての端末で更新を適用し、再起動する(前の章の手順)。悪用が確認された脆弱性があるので、これが最も効果の大きい作業です
  2. 使い回しているパスワードを変える。ソースネクストでは暗号化されていないパスワードの流出の可能性が指摘されています。同じパスワードを他のサービスでも使っていると、そちらにも不正ログインされます。優先して変えるのは、メール・ネットバンキング・通販・Apple Account / Googleアカウントです
  3. 多要素認証(2段階認証)をオンにする。パスワードに加えて、スマホに届くコードなどで本人確認する仕組みです。パスワードが漏れても、これがあればログインを防げます。主要サービスの「セキュリティ」設定の中にあります
  4. Chromeの「常に安全な接続を使用する」を確認する(下記)
  5. Windows 11の「メモリ整合性」を確認する(下記)

Chrome「常に安全な接続を使用する」(Chrome 154から標準でオン)

Googleは2026年10月21日、暗号化されていない「http://」のサイトを開く前に警告を出すこの設定を、Chrome 154からすべてのユーザーで標準オンにすると発表しました。パソコン版・スマホ版の両方が対象です。

  • 確認場所:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「常に安全な接続を使用する」
  • 一度「続行」を選んだサイトは、2週間以上訪問しない限り再び警告されない。毎日使うサイトで何度も止められることはない
  • ルーターの設定画面や社内サイトなど、家庭や社内のネットワーク内のアドレスは警告の対象外

見慣れない警告が出ても慌てる必要はありません。普段行かないサイトで出たら「戻る」を選ぶ、くらいの使い方で十分です。

Windows 11「メモリ整合性」

悪意のあるプログラムがWindowsの中核部分に入り込むのを防ぐ機能です。Microsoftは2026年10月から、品質更新プログラムを通じて対象のパソコンで段階的に自動で有効にしています。ただし、以前に自分で無効にしたパソコンは自動では変わりません。

  1. 「スタート」→「Windows セキュリティ」を開く
  2. 「デバイス セキュリティ」→「コア分離」を開く
  3. 「メモリ整合性」がオンかどうかを確認する

「Windows セキュリティ」アプリは2026年10月23日にデザインが新しくなったと発表されているため、見た目が以前と違っていても正常です。古い周辺機器のドライバーとの相性でオンにできない表示が出ることもあるので、その場合は無理に変えず、更新の適用を優先してください。

ダウンロードしたファイルのプレビューに注意

10月の更新で、Windowsのエクスプローラーではネットから入手したファイルを、警告を確認したうえでプレビュー表示できるようになりました。便利になった一方で、危険がなくなったわけではありません。心当たりのない添付ファイルはプレビューも含めて開かないのが基本です。

漏えいに便乗する「補償」「本人確認」詐欺メールと偽アプリの見分け方

便乗詐欺の特徴(2026年10月29日報道)

企業からの情報漏えいの後には、それに便乗した偽のメールやSMSが出回ることが報じられています。漏えいのニュースを見て不安になった人を狙うので、内容がもっともらしいのが厄介です。

  • 件名や本文に「補償のご案内」「本人確認のお願い」「アカウント保護のため」といった言葉がある
  • 「期限内に手続きしないと補償を受けられない」など、急がせる
  • リンク先で氏名・住所・カード番号・口座番号・パスワードを入力させる

本物の企業からのお知らせであっても、確認はブックマークや検索で自分で開いた公式サイトで行えば安全です。メールやSMSのリンクは押さないと決めておくと、見分けに迷う必要がなくなります。Apple Accountを装ったSMSの具体的な見分け方はApple Accountロック詐欺SMSの確認手順|26年10月にまとめています。

偽アプリでスマホを遠隔操作される手口(2026年10月19日注意喚起)

フィッシング対策協議会は、偽アプリを入れさせてスマートフォンを遠隔操作し、ネットバンキングの不正送金やキャッシュレス決済でお金を盗む被害を確認したと注意喚起しています。お金がもらえる話や性的な関心に付け込んでアプリを入れさせるのが特徴とされています。

  • アプリはApp Store・Google Playからだけ入れる。メッセージやWebページで「このアプリを入れて」と案内されたら疑う
  • Androidで「提供元不明のアプリ」のインストールを求められたら、その時点でやめる
  • 入れた覚えのないアプリがないか、ホーム画面とアプリ一覧を一度見直す

被害に遭ったかもしれないときの次の手順と相談窓口(188・警察庁・IPA)

状況別にやること

状況

すぐやること

偽サイトにパスワードを入力した

そのサービスのパスワードを公式サイトから変更。同じパスワードを使っている他のサービスも変更し、多要素認証をオンにする

カード番号を入力した

カード裏面の番号からカード会社に連絡し、利用停止と再発行を相談する

口座情報を入力した・不正送金された

銀行の公式窓口に連絡し、口座の利用停止を依頼する

怪しいアプリを入れてしまった

機内モードにして通信を止め、アプリを削除。その後ネットバンキング・決済アプリのパスワードを変更する

心当たりのないログイン通知が来た

各サービスの「セキュリティ」や「ログイン履歴」で、知らない端末や場所からのログインがないかを確認し、あればログアウトさせてパスワードを変更する

相談窓口

  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」:詐欺被害など消費者トラブルの相談。最寄りの消費生活センターにつながる
  • 警察庁のサイバー事案相談窓口:通報・相談・情報提供を全国統一のオンライン窓口で受け付けている。都道府県警察の連絡先も確認できる。緊急の事件・事故は110番
  • IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」:個人のパソコン・スマホに関する相談を受け付けている
  • フィッシング対策協議会:フィッシングの報告を受け付け、緊急情報を公開している
  • 内閣官房「サイバー対応特設サイト」:個人情報流出の被害に遭った人向けに、運転免許証の再交付、クレジットカード情報の流出、ネット上に出た個人情報の削除などの相談先がまとめられている

なお、IPAが2026年10月16日に開設した「不正アクセス特別相談窓口」(電話 03-6759-5760、平日9時30分〜17時30分・12時〜13時を除く)は、被害を受けた、またはその可能性がある企業・組織向けの窓口です。個人の方は上の窓口を使ってください。

関連する選択肢

手元のPCを開いている間しか動かない、という問題を避けるなら、常時起動しているサーバーを借りてそこに置く方法があります。料金はプランによって変わります。

SSDプランが月々698円から使える!さくらのVPS

※ 広告を含みます(A8.net)。リンク経由でお申し込みがあった場合、手数料を受け取ることがあります。

まとめ:2026年10月の対策は「更新して再起動」と「パスワードの使い回しをやめる」

2026年10月は、Windowsで過去最多の1,411件、Appleの各OSで合わせて数百件の脆弱性が修正され、どちらにも悪用が確認された、またはその可能性があるものが含まれていました。同じ時期に、外務省やヤマト運輸・ショップサーブ・ソースネクストなどで大規模な漏えいが発表・報道されています。とはいえ、個人がやることは多くありません。すべての端末を更新して再起動し、使い回しているパスワードを変えて多要素認証をオンにする。漏えいの「補償」や「本人確認」をうたうメール・SMSのリンクは押さず、公式サイトを自分で開いて確かめる。この3つを今日のうちに済ませておけば、今回のニュースの大半には備えられます。万一入力してしまった場合も、カード会社・銀行への連絡と188などの窓口で対応できるので、落ち着いて順番に進めてください。