目次
1.「マルウェアが含まれていないことをAppleは確認できません」と出たとき
アプリを開こうとして、「"(アプリ名)"にマルウェアが含まれていないことをAppleは確認できません」という警告が出て先に進めない——この状態で検索して来た方が多いので、最初に扱います。
まず結論
この警告は「マルウェアが見つかった」という意味ではありません。Appleの事前チェック(公証)を受けていないアプリなので、安全かどうかAppleには分からない、という意味です。Appleはこれを「アプリが悪質なソフトウェアかどうかをAppleで確認できないという警告」として説明しています。
macOS Catalina以降、配布されるアプリにはAppleの公証が必要になりました。個人開発のツールや、公証の手続きを取っていない古いアプリでは、問題がなくてもこの警告が出ます。
開くべきか、やめるべきかの判断
警告自体は危険度を示していないので、判断の材料は「どこから入手したか」だけです。
| 入手元 | 判断 |
|---|---|
| 開発元の公式サイト・GitHubの公式リポジトリから自分でダウンロードした | 開いてよい場合が多い |
| メールやSMSのリンク、SNSのDMで送られてきた | 開かない |
| 「ウイルスが検出されました」などの表示から誘導されてダウンロードした | 開かない |
| 無料で配布されている有料ソフト、改造版・日本語化版 | 開かない |
| 入手元を思い出せない | 開かない(削除してよい) |
信頼できると判断した場合に開く手順
Appleは、信頼できる入手元で改ざんがないと確かめられたアプリに限り、次の手順で開けるとしています。
- 「システム設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選び、下にスクロールして「このまま開く」をクリックする
- 警告が再度出るので「開く」をクリックする
一度許可したアプリは例外として記録され、以後はダブルクリックで開けます。なお同じ画面の「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」では、許可する範囲を「App Store」のみか「App Storeと確認済みの開発元」かで選べます。Macが職場や学校の管理下にある場合、これらの設定は使えないことがあります。
この手順を使ってはいけない場面
警告を消すための操作なので、入手元が怪しいアプリに使うとチェックを自分で外すことになります。上の表で「開かない」に当てはまるものは、この手順を踏まずにゴミ箱へ入れてください。削除の手順は5章にあります。
出典: Apple「Macで App を安全に開く」(2026年10月28日に確認)
2. 不審なアプリが入り込む主な経路
Macへのマルウェア侵入でよくある経路は以下の通りです。
- フリーソフトに同梱されて入る — 無料ソフトのインストール中に「おすすめソフト」として一緒に入ってくる
- 偽のアップデート通知 — 「Flash Playerを更新してください」などの偽警告からインストールさせる
- 不審なサイトからのダウンロード — 公式サイト以外からダウンロードしたファイルに混入
- メールの添付ファイル — フィッシングメールに添付されたファイルを開いてしまう
3. 確認すべき場所と手順
① アプリケーションフォルダを確認する
Finder → アプリケーション を開いて、見覚えのないアプリがないか確認します。
ターミナルで一覧を取得する場合:
ls /Applications/ インストールした記憶がないアプリ名があれば調べる対象です。
② アクティビティモニタで動いているプロセスを確認する
Finder → アプリケーション → ユーティリティ → アクティビティモニタ を開きます。
- CPUタブ:CPUを大量に使っているプロセスを確認
- メモリタブ:メモリを大量に消費しているプロセスを確認
- ネットワークタブ:通信量が異常に多いプロセスを確認
プロセス名で検索して、正体がわからないものはGoogle検索で調べます。
③ ログイン項目を確認する
システム設定 → 一般 → ログイン項目 を開きます。起動時に自動起動するアプリの一覧が表示されます。見覚えのないものがあれば、「-」ボタンで削除できます。
4. 怪しいアプリの見分け方
開発元が不明
アプリを右クリック → 「情報を見る」で開発元を確認します。「開発元が不明」「確認されていない開発元」の場合は注意が必要です。
インストール日時が不自然
ターミナルで確認できます:
ls -la /Applications/ | sort -k6,7 日付でソートされるので、最近突然追加されたアプリが一目でわかります。
名前がよく知られたアプリに似ている
「AdobeFlashPlayer」「MacKeeper」「Advanced Mac Cleaner」などの名前は、マルウェアが正規ソフトに偽装する際によく使われます。特に「Mac Cleaner」「Mac Optimizer」系のアプリは要注意です。
⚠️ 削除を強く推奨するアプリの例
- MacKeeper / Mac Optimizer / Advanced Mac Cleaner
- Genieo / InstallMac
- VSearch / Conduit
- 「Flash Player Update」という名のアプリ(Adobe FlashはとっくにEOL)
5. 不審なアプリを削除する方法
通常の削除(ゴミ箱へ)
アプリをゴミ箱にドラッグするか、Finderで右クリック → 「ゴミ箱に入れる」を選択します。その後ゴミ箱を空にします。
関連ファイルごと完全に削除する
悪意のあるアプリはアプリ本体以外にも様々な場所にファイルを置きます。以下の場所も確認して関連ファイルを削除します。
~/Library/Application Support/アプリ名/ ~/Library/Caches/アプリ名/ ~/Library/Preferences/アプリ名.plist ~/Library/LaunchAgents/アプリ名関連.plist 削除できない場合
「使用中のため削除できません」と表示される場合は、まずアクティビティモニタでプロセスを強制終了してから削除します。
- アクティビティモニタを開く
- 対象のプロセス名を選択
- 左上の「×」ボタン → 「強制終了」
- 再度アプリを削除する
6. ブラウザの拡張機能も確認する
マルウェアはブラウザ拡張機能として入り込むケースも多くあります。
Chrome の確認方法
chrome://extensions/ アドレスバーに入力すると拡張機能一覧が表示されます。使っていないものや見覚えのないものは削除します。
Safari の確認方法
Safari → 設定 → 機能拡張 タブを開き、一覧を確認します。
💡 ブラウザ拡張の注意点
「広告ブロック」「PDF変換」などに偽装した拡張機能がブラウザの通信を傍受するケースがあります。インストールする際は必ず公式ストアからダウンロードし、レビュー・評価を確認してください。
7. 今後の侵入を防ぐ設定
Gatekeeper を有効にする
macOSの標準機能「Gatekeeper」は、署名されていないアプリの実行をブロックします。
システム設定 → プライバシーとセキュリティ → 「App Store と確認済みの開発元からのアプリケーションを許可」が選択されていることを確認します。
macOS とアプリを最新の状態に保つ
既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐために、システムアップデートは必ず適用します。システム設定 → 一般 → ソフトウェアアップデート で「自動アップデート」を有効にしておくと安心です。
ダウンロード元を慎重に選ぶ
アプリは必ず App Store か 開発者の公式サイト からダウンロードします。検索結果の広告から飛んだページや、「無料でダウンロード」系のサイトには注意が必要です。
まとめ
- アプリケーションフォルダ・アクティビティモニタ・ログイン項目の3箇所を定期確認
- 開発元不明・名前が似ている・最近突然追加されたアプリは要注意
- ブラウザ拡張機能も同様に確認・不要なものは削除
- GatekeeperとmacOSアップデートで侵入を予防